EU無限スクロール規制の背景
EUが無限スクロールに本格的な規制の動きを見せています。2026年2月、欧州委員会はTikTokに対し、無限スクロールを含む中毒性のあるデザイン機能を変更するよう正式に要求しました。従わない場合、巨額の制裁金が科される可能性があります。
この動きはTikTokだけに限った話ではなく、MetaのFacebookやInstagramも同様の規制対象になっています。スペインのサンチェス首相がテック億万長者との対立を公にするなど、ヨーロッパ全体でSNS規制への機運が高まっているんですよね。
無限スクロールがなぜ問題視されるのか
無限スクロールとは、ページの終わりがなく次々とコンテンツが表示され続けるUI設計のことです。これがユーザーの意図しない長時間利用を引き起こすとして、特に未成年への影響が懸念されてきました。
実際にDiscordが顔認証による年齢確認を導入するなど、プラットフォーム側も未成年保護への対応を迫られています。無限スクロールの問題は、単なるUI設計の話ではなく、デジタルウェルビーイング全体に関わるテーマです。
EU無限スクロール規制の具体的な内容
EUのデジタルサービス法(DSA)に基づき、「ダークパターン」と呼ばれる中毒性のあるデザインパターンの使用が制限されます。具体的には以下のような要素が規制対象になる見込みです。
- 無限スクロール:明確な終了点やページネーションの導入を要求
- 自動再生:動画の自動連続再生のデフォルトOFF化
- 通知の頻度:過度なプッシュ通知の制限
- 利用時間の可視化:ユーザーが自分の利用状況を把握できる機能の必須化
これらは「ユーザーが意識的にサービスを利用しているかどうか」を判断基準にしているようです。意図しない長時間利用を誘発する設計は、EUの基準では「違法」と見なされる方向に進んでいます。
テック企業への影響と今後
この規制が実施されると、TikTokやInstagramのユーザー体験は大きく変わる可能性があります。無限スクロールはこれらのサービスの中核的な機能であり、エンゲージメント指標に直結するためです。
MetaやGoogleが「依存症を設計した」として訴訟を受けている米国の事例とも合わせて考えると、SNSの中毒性デザインに対する世界的な規制の流れは加速しているといえます。
一方で、開発者やデザイナーの視点からすると、この規制はUXデザインの根本的な見直しを迫るものです。2026年のWeb開発トレンドとしても、エシカルデザインの重要性はますます高まっていくでしょう。
EU無限スクロール規制が日本に波及する可能性
EUの規制は、ブリュッセル効果と呼ばれるメカニズムで他国にも影響を及ぼす傾向があります。GDPRがその典型例で、EU向けに対応したプラットフォームの変更がグローバルに適用されるケースが多いんですよね。
日本でも総務省がSNSの利用実態に関する調査を進めており、特に青少年のSNS利用時間については議論が活発化しています。EUの規制が先行事例となり、日本でも類似の議論が加速する可能性は十分にあると感じます。
まとめ
EUの無限スクロール規制は、SNSの中毒性デザインに対する世界初の本格的な規制として注目されています。TikTokやMetaといった巨大プラットフォームがどう対応するかによって、今後のSNS体験そのものが変わっていくかもしれません。開発者にとっても、エシカルなUI設計を意識するきっかけになりそうです。
