OpenAIがミッションから「safely」を削除しました。9年間で6回もミッションステートメントが変更されています。しかも、この事実は税務申告書から明らかになりました。そこで今回は、OpenAIのミッション変遷と営利化の実態を解説します。

OpenAIのミッションステートメント変遷

OpenAIは2015年に非営利組織として設立されました。当初のミッションには明確な表現がありました。具体的には「安全に人類に利益をもたらすAIを構築する」でした。さらに「財務的リターンの必要性に縛られない」とも記されていました。しかし、2024年の税務申告書では大きく変わりました。つまり、「安全に」という言葉が消えたのです。また、財務的制約への言及も削除されています。

現在のミッションは「人工汎用知能が全人類に利益をもたらすことを確保する」です。一方、以前は安全性が中核にありました。そのため、AI倫理の専門家から強い批判が出ています。特に安全性の優先度が下がったという懸念は深刻です。

営利化への移行の全貌

2019年にOpenAIは営利子会社を設立しました。その後、2025年10月にカリフォルニア州とデラウェア州の司法長官との合意で営利化を完了しています。具体的には、非営利財団が営利会社(PBC)の約26%を保有する構造になりました。また、Microsoftが約27%を保有しています。さらに、投資家と従業員が残りの47%を持っています。しかし、当初は非営利部門の支配を完全に削除する計画でした。なぜなら、投資家へのリターンを最大化したかったからです。ところが、批判を受けて撤回されました。

税務申告書が明かす内部事情

税務申告書にはSam Altmanの報酬も記載されています。具体的には、2023年に76,001ドルの給与を受け取りました。一方、共同創設者のIlya Sutskeverは322,201ドルでした。つまり、Altmanは「健康保険のための最低限の給与」しか受け取っていないのです。しかし、株式報酬は開示されていません。また、Altmanの純資産は少なくとも20億ドルと推定されています。

したがって、OpenAIのミッション変遷は単なる言葉の問題ではありません。実際、組織構造そのものが根本的に変わっています。特にElon Muskは営利化に反対して訴訟を起こしました。だからこそ、AI企業のガバナンスと透明性に注目することが重要です。なお、この変遷はAI業界全体の方向性を象徴する出来事と言えるでしょう。