2026年2月、NHTSAの最新データで興味深い数字が出てきました。Teslaの自動運転タクシー「Robotaxi」がAustinで記録した事故率は、なんと人間ドライバーの約4倍だったんですよね。

自動運転技術への期待は年々高まっていますが、実際のデータを見てみると、まだまだ課題があることがわかります。この記事では、NHTSAの公開データをもとに、Tesla Robotaxiの現状を整理してみました。

Tesla Robotaxiの事故データ:14件の衝突事故が示すもの

NHTSAのStanding General Order(SGO)データベースによると、Tesla RobotaxiはAustinでの運行で合計14件の衝突事故を記録しています。2026年1月だけで5件の新規事故報告が提出されました。

事故の内訳を見てみると、結構バリエーションがあります。時速17マイルでの固定物への衝突、バスとの接触(停車中)、大型トラックとの接触(時速4マイル)、そしてポールや木への後退衝突が2件。いずれもModel Yで自動運転システムが「engaged」の状態でした。

Tesla Robotaxiの事故率は人間の何倍なのか

ここからが核心部分です。Teslaの2024年Q4決算データによると、Robotaxiの累計走行距離は2026年1月中旬時点で推定約80万マイル。14件の事故を記録しているので、約5.7万マイルに1回の割合で事故が発生している計算になります。

一方、Tesla自身のVehicle Safety Reportによれば、アメリカの平均的なドライバーは22.9万マイルに1回の軽微な衝突、69.9万マイルに1回の重大な衝突を経験するとされています。つまり、Tesla Robotaxiは自社基準でも約4倍の頻度で事故を起こしていることになるんですよね。

さらに厳しい見方をすると、NHTSAの警察報告ベースの事故平均(約50万マイルに1回)と比較した場合、Tesla Robotaxiの事故率は人間の約8倍という数字も出てきます。

事故データの透明性に関する問題

もう一つ気になるのが、情報開示の姿勢です。Teslaが提出した事故報告書では、全件について事故の詳細が「機密事業情報」として墨消しされています。これはNHTSAの機密保護規定を利用したもので、WaymoやZooxなど他の自動運転事業者は同様の措置を取っていないのが現状です。

また、2025年7月の事故(Report ID 13781-11375)では、当初「物損のみ」と報告されていたものが、5ヶ月後に「入院を伴う軽傷」に修正されていたことも判明しました。事故報告の遅れや修正は、安全性の評価を難しくする要因になりかねません。

Waymoとの比較で見える差

同じ自動運転タクシーでも、Waymoの実績はかなり異なります。Waymoは完全無人(セーフティドライバーなし)で1億2700万マイル以上を走行済み。独立した研究では、Waymoは傷害事故を80%、重傷事故を91%削減しているとされています。

Austinだけでも51件のインシデントを報告していますが、走行距離あたりの事故率で比較すると、Teslaとは桁違いの安全性を実現している計算です。

自動運転タクシーの未来はどうなるのか

自動運転技術は確実に進歩していますが、今回のデータは「まだ発展途上」であることを示しているように感じました。特にTeslaのアプローチ(カメラのみ、LiDARなし)が十分な安全性を担保できるかどうかは、今後のデータ蓄積で明らかになっていくでしょう。

ただ、こうしたデータが公開されること自体は良いことだと思います。透明性のある議論が進めば、規制やテクノロジーの改善にもつながるはずです。NHTSAの自動運転安全データは誰でも閲覧できるので、興味のある方はチェックしてみてください。

2026年のテック業界全体の動向も合わせて読むと、自動運転が業界の中でどういう位置づけにあるのかが見えてきます。参考になれば幸いです。

まとめ

Tesla RobotaxiのAustin運行データからわかったことを整理すると、14件の事故で人間の約4倍(厳密には最大8倍)の事故率、事故詳細の全件墨消し、そして入院事故の報告遅延という3つの課題が浮き彫りになりました。自動運転の社会実装にはまだ時間がかかりそうですが、データに基づいた冷静な議論が大切だと感じています。