Supabase Firebase代替として注目される理由
Supabase(スーパーベース)というサービスを最近よく耳にするようになりました。PostgreSQLをベースにしたオープンソースの開発プラットフォームで、「Firebase代替」として急速に存在感を高めています。
自分も最近いくつかのプロジェクトで触ってみたのですが、なぜこれほど支持されているのか、改めて整理してみることにしました。
Supabaseの基本構成
Supabaseが提供する主要な機能は以下のとおりです。
データベースには、フルマネージドのPostgreSQLが採用されています。Row Level Security(RLS)によるきめ細かなアクセス制御が可能で、SQLの知識がそのまま活かせるのが大きなメリットかなと感じます。
認証機能(Auth)では、メール・パスワード認証に加え、OAuth、マジックリンク、電話番号認証など多彩な方式に対応しています。外部のIDプロバイダーとの連携もスムーズです。
ストレージはS3互換のファイル管理機能で、画像やドキュメントのアップロード・配信を簡単に実装できます。Edge Functionsを使えば、Denoベースのサーバーレス関数も動かせるので、バックエンドのロジックを柔軟に構築できるでしょう。
さらに、Realtimeという機能でデータベースの変更をWebSocket経由でクライアントにリアルタイム通知できるのも、チャットアプリやダッシュボードの開発に重宝しそうです。
Firebaseとの具体的な違い
「Firebase代替」と言われますが、根本的なアーキテクチャには大きな違いがあります。
FirebaseがNoSQL(Firestore)を中心に据えているのに対し、SupabaseはリレーショナルDB(PostgreSQL)がコアです。複雑なクエリやデータの整合性管理が求められるケースでは、Supabaseのほうが扱いやすいと感じる場面が多いかもしれません。
また、オープンソースであるため、ベンダーロックインを避けたい企業にとっても選択しやすい構造になっています。セルフホスティングが可能なので、データの所在地をコントロールしたい場合にも対応できます。
一方で、Firebaseのほうがモバイルアプリとの統合やプッシュ通知など、Google Cloud全体のエコシステムとの連携は依然として強い印象があります。
AI開発での活用が急増
最近のAIエージェント開発ブームの中で、Supabaseのpgvectorサポートが注目を集めています。
pgvectorはPostgreSQLの拡張機能で、ベクトル検索を直接データベース上で実行できます。RAG(検索拡張生成)のベクトルストアとしてSupabaseを使うケースが増えているのは、この機能があるからでしょう。
専用のベクトルDBを別途用意する必要がなく、既存のPostgreSQLデータと同じ場所でベクトル検索を扱えるのは、開発のシンプルさという点で魅力的です。公式の発表では、アクティブなデータベースの約10%以上がAI関連の用途で利用されているとのことです。
2026年の成長状況
Supabaseは2024年にシリーズCで8,000万ドルを調達し、累計調達額は1億9,600万ドルに達しました。GitHubのスター数は8万を超え、開発者コミュニティは拡大を続けています。
Y Combinator参加スタートアップの約40%が採用しているというデータもあり、スタートアップ界隈での存在感は確固たるものになってきたようです。
最近はGemini 3のような高性能AIモデルと組み合わせたアプリケーション開発も活発で、SupabaseがAI時代のバックエンド基盤として選ばれるケースは今後も増えていきそうです。
実際に使ってみた感想
個人的に使ってみて感じたのは、ダッシュボードのUIが直感的で分かりやすいという点です。SQLエディタが組み込まれているので、データの確認やデバッグがブラウザ上で完結するのは便利でした。
一方で、Edge Functionsの実行環境がDenoベースであるため、Nodeのエコシステムにどっぷり浸かっている場合は少し戸惑う部分もあるかもしれません。ただ、Denoとの互換性は年々改善されているので、大きな障壁にはならないでしょう。
ドキュメントも充実しているのですが、日本語の情報はまだ限定的です。英語のドキュメントが読める前提で使うことになるのが、日本の開発者にとっては少し敷居が高い面もありそうです。
どんなプロジェクトに向いているか
Supabaseが特に力を発揮するのは、以下のようなケースだと思います。
リレーショナルデータを多く扱うWebアプリケーションや、リアルタイム機能が必要なプロジェクトには相性が良いです。また、LLMを活用した開発でベクトル検索も同時に扱いたい場合には、pgvectorの存在が大きなアドバンテージになるでしょう。
逆に、モバイルアプリの開発でGoogleのサービスとの深い統合が必要な場合は、Firebaseのほうが適しているかもしれません。
今後の展望
Supabaseはエンタープライズ向け機能の強化やグローバルなエッジ展開を重点分野として掲げています。AI関連機能のさらなる拡充も計画されているようです。
Firebase一強だったBaaS市場に確かな風穴を開けた存在として、今後の動向からも目が離せないところです。