GoogleがPixel 9をインドに導入、直面する課題

火曜日に開催された「Made by Google」イベントで、Googleは新しいPixel 9シリーズがインドに登場することを発表しました。このニュースは、同社の新しい折りたたみスマートフォンが世界で2番目に大きなスマートフォン市場であるインドで初めて発売されることを意味します。

販売チャネルの拡大

Googleは、インド国内での販売チャネルを拡大するために、Tata Groupが所有するCromaや、Relianceの小売子会社であるReliance Digitalと提携しました。また、長年のオンラインパートナーであるFlipkartとも協力しています。さらに、アフターサービスを向上させるために、3つのサービスセンターも新たに開設しました。

市場シェアの課題

しかし、AndroidメーカーとしてのGoogleには大きな課題が残っています。現在、同社はインド市場で1%未満のシェアしか持っていません。Pixel 9の発表は、インドでのプレミアム製品の販売が増加している中で行われました。特にAppleがこのトレンドの恩恵を受けており、IDCによると、Appleはインドのスマートフォン市場のスーパープレミアムセグメント($800以上)で83%の年成長率を達成しています。

Pixel 9の価格帯

GoogleはPixel 9シリーズでこのセグメントを狙い、通常のPixel 9は79,999インドルピー(約$950)から始まります。一方、Pixel 9 Pro Foldは172,999インドルピー(約$2,060)で販売されます。対照的に、iPhone 15は79,600インドルピー(約$950)からスタートし、iPhone 15 Pro Maxは193,500インドルピー(約$2,300)に達します。

Pixelの販売状況

これまでのところ、GoogleはインドでPixelスマートフォンを販売してきましたが、最近になって国に焦点を合わせ始めました。IDCのデータによると、2023年のGoogleのスマートフォン出荷台数は665,000台に達し、2020年の47,000台から1300%増加しました。しかし、同社の全体的な市場シェアは0.5%と依然としてわずかです。手頃な価格のPixel Aシリーズが、2023年の販売において65%のシェアを占めています。

Pixel Aシリーズの位置付け

ただし、Pixel Aシリーズでさえ、インドでは主流のデバイスとは言えません。Pixel 8aは52,999インドルピー(約$630)から販売されています。アナリストによると、エントリープレミアムセグメント($200〜$400)はインド市場で30%のシェアを持っています。Counterpoint Researchのデータもこれを支持しており、Pixelスマートフォンはインドのプレミアムセグメントで1%のシェアを保持しています。

マーケティングの重要性

最近数ヶ月、Googleはインドでの存在感を高めています。同社はPixel 8スマートフォンを現地で組み立てることで、インド政府にアピールしています。政府は南アジアの国をグローバルな製造ハブにするために、ブランドに協力を求めています。Googleの販売チャネルやアフターサービスの拡大も重要な要素です。

しかし、市場の専門家は、GoogleがAppleやSamsungと競争するためには、インドでのマーケティング支出を大幅に増やす必要があると考えています。IDCの副社長であるNavkendar Singhは、「プレミアム市場はAppleによって主に成長しているが、支出する意欲のある消費者が少しずつ増えている証拠だ」と述べています。

オフラインチャネルの拡大

Singhは、Googleがインドの消費者基盤を広げるために販売チャネルを拡大する必要があると指摘しています。オンライン取引は小売売上の一桁パーセントしか占めていません。「オンラインと限られたオフラインの存在だけでは、インドでの長期的な戦略にはならない」と彼は言います。

総括と今後の展望

アナリストは、Googleがオフラインの販売チャネルを初めて設けたことで、スマートフォンベンダーとしての成長が期待できると考えています。CounterpointのPathakは、「このマルチチャネルアプローチにより、成長と採用が加速することが期待できる」と述べています。

ただし、CounterpointはPixelシリーズがインドで1%未満のシェアにとどまると予測しており、Pixel Aモデルが引き続きGoogleの成長を促進するとしています。Googleがインド市場での買い手の関心が薄い主な理由は、その価格設定にあります。「この価格設定は良くない」とSinghは主張します。「全く調和が取れていない。Googleは自社の利益率を維持したいようだ」と述べています。

Googleは新しいPixelスマートフォンにAI機能を多数搭載して顧客を引き付けようとしています。しかし、Singhは消費者がAI機能を基に選択しているわけではなく、そのために購入を控えているわけでもないと考えています。「中長期的には、AI機能がプレミアムセグメントでの購入を引き寄せる重要な役割を果たすだろう」と述べています。