Googleが2026年2月17日、生成AIからGoogle公式の開発者ドキュメントを直接参照できる「Developer Knowledge API」と、それに対応するMCP(Model Context Protocol)サーバーのパブリックプレビューを発表しました。これはAI支援開発のワークフローを根本から変える可能性のある仕組みです。

正直なところ、この手のAPI発表は地味に見えがちなんですが、実際に使ってみるとインパクトは大きいと感じました。なぜかというと、これまでAIに「Firebase のプッシュ通知のベストプラクティスは?」と聞いても、古い情報やハルシネーションが混じる可能性がありましたよね。それがこのAPIを通じて、常に最新の公式ドキュメントを参照した回答が得られるようになります。

Developer Knowledge APIでできること

このAPIは、Google Cloud、Android、Firebase、Google AI関連、Apigee、Web関連などのGoogle公式ドキュメントの内容を取得できるインターフェースです。

主な機能としては、関連するドキュメントページの検索と、ページ全体をMarkdown形式で取得する機能が用意されています。つまり、スクレイピングに頼ることなく、正規のAPIを通じて最新のドキュメントにアクセスできるわけですね。

パブリックプレビュー期間中は、ドキュメントが更新された場合24時間以内にインデックスに反映されるとのこと。情報の鮮度という観点でも、かなり信頼性の高いソースになりそうです。

MCP Serverとの連携がポイント

Googleは同時に、MCP(Model Context Protocol)サーバーもパブリックプレビューとして公開しました。MCPはAnthropicが提唱したプロトコルで、生成AIにツールやデータソースを接続するための標準的な仕組みです。

このMCPサーバーを使えば、Claude CodeやCursor、Google Antigravity IDEといったAIコーディングツールから、Google公式ドキュメントをシームレスに参照できるようになります。

具体的なユースケース

実際にどう使えるのか、いくつかの例を挙げてみます。

まず、Firebaseのプッシュ通知の実装方法を生成AIに質問するケース。従来はAIが学習時点の知識で回答していたため、APIの仕様変更があった場合に古い情報を返してしまうリスクがありました。MCP経由で最新ドキュメントを参照すれば、常に正確な実装方法が得られます。

トラブルシューティングも便利そうですね。「Maps APIのApiNotActivatedMapErrorを修正する方法をドキュメントで確認して」といった依頼を投げれば、AIがドキュメントを検索して具体的な解決手順を提示してくれます。

さらに、「このユースケースではCloud RunとCloud Functionsどちらが適切か比較して」という質問にも、両方のドキュメントを参照した上で根拠のある回答が返ってくるようになります。

WebMCPとの関係性

Googleは以前、MicrosoftとともにブラウザベースのAIエージェント向け標準としてWebMCPも提案していました。今回のDeveloper Knowledge APIは、WebMCPよりもずっと具体的で実用的なアプローチと言えます。

WebMCPがブラウザ内のAI連携を標準化しようとしているのに対して、Developer Knowledge APIはまず自社のドキュメントという限定的なスコープで確実に動くものを提供した形ですね。

開発者への影響

この仕組みが普及すると、AIコーディングアシスタントの精度が目に見えて向上するはずです。特にGoogle Cloud系のサービスを使っている開発者にとっては、ドキュメント検索の手間が大幅に減ることになります。

AIエージェントハーネスの設計パターンにDeveloper Knowledge APIを組み込めば、Google Cloud環境に特化した高精度なAIアシスタントを構築することも可能になりそうです。

Google Cloud公式ドキュメントPublickeyの報道によると、今後対応するドキュメントの範囲はさらに拡大する予定とのことです。

まとめ

Google Developer Knowledge API & MCP Serverは、AIと公式ドキュメントの連携という長年の課題に対する実践的な解決策です。パブリックプレビュー段階ではありますが、AIコーディングツールの精度向上に直結する仕組みとして、今後のエコシステム拡大が楽しみなところですね。

特にVibe Codingのように「雰囲気で指示する」スタイルの開発が広がっている今、AIが参照するドキュメントの信頼性が担保されることの意味は非常に大きいと感じています。