Hacker Newsで「Claude Codeのcompactionがディスク上データを捨てる」という報告が上がり、AIコーディング運用の弱点が見えやすくなりました。ツール側のバグという面はありますが、運用設計で被害を小さくできる余地も大きいです。特に、長時間セッションでの履歴管理は盲点になりがちです。

何が問題なのか

Compactionは文脈サイズを抑えるための機能ですが、履歴の削除や要約が想定より強く働くと、開発中の重要な判断根拠が失われます。コード本体が残っていても、なぜその実装にしたかの文脈が消えると、後続の修正が難しくなります。これはレビュー品質にも影響します。

再発を防ぐ実務的な対策

1つ目は、節目ごとにスナップショットを取ることです。2つ目は、意思決定ログを別ファイルに残すこと。3つ目は、セッションを分割し、タスク境界を明確にすることです。どれも地味ですが、履歴喪失のダメージを減らせます。AIに任せるほど、作業ログの明文化が効いてきます。

チーム運用で決めておきたいルール

個人開発なら感覚で回せても、チームでは事故が連鎖しやすいです。私は「実装前提」「変更理由」「ロールバック条件」の3点だけは必ず記録する運用を推奨しています。最低限のテンプレートを決めるだけで、引き継ぎコストが下がります。関連する運用論は、自律型コーディング運用の記事も参考になります。

AIツールは“正しさ”より“復元性”で評価する

最近は精度比較が目立ちますが、現場で重要なのは失敗時の復元性です。誤回答より、履歴や判断根拠が消えるほうが復旧工数は大きくなります。評価軸に「ログ保持」「再現可能性」「エラー時の観測性」を入れると、導入判断の精度が上がります。

まとめ

Compaction問題は単発バグとして片付けるより、AI開発ワークフローを見直すきっかけとして捉えるのが良さそうです。ログ設計とタスク分割を先に整えておけば、ツール側の不具合が出ても運用は崩れにくくなります。AIコーディングの成熟度は、生成品質より運用品質で差が出ると感じています。

参考: Hacker News / GitHub Issue / セキュリティ運用関連記事