フェイフェイ・リー氏が共同創業したWorld Labsが10億ドルを調達しました。しかし「空間知能」と聞いてもピンとこない方が多いでしょう。そこで今回は、World Labs 10億ドル調達の背景と空間知能の競争軸を詳しく整理します。
World Labs 10億ドル調達の概要
2026年2月にシリーズBラウンドで10億ドルを調達しました。投資にはNVIDIA、AMD、Autodeskなどが参加しています。特にAutodeskは2億ドルの戦略投資を行いました。またFidelity Management やEmerson Collectiveも出資しています。
評価額は約50億ドルに達しています。つまり2024年9月の初期調達(2.3億ドル)から大幅に成長しました。さらに初期ラウンドではAndreessen HorowitzやRadical Venturesが支援していました。したがって、世界トップクラスの投資家が集まっている状況です。
創業者フェイフェイ・リー氏の存在感
フェイフェイ・リー氏は「AIのゴッドマザー」と呼ばれています。スタンフォード大学のコンピュータサイエンス教授であり、Human-Centered AI Instituteの共同ディレクターです。また元Google Cloud チーフサイエンティストでもあります。
特にImageNetの創設者として知られています。ImageNetは現代のディープラーニング革命の基盤となったデータセットです。そのため、AI業界での信頼性は極めて高いのです。
空間知能とは何か
空間知能とは3D世界を理解し操作するAI能力です。従来のAIは2Dデータ(テキストや画像)を扱うのが主でした。しかし空間知能は3次元空間の知覚、生成、推論、相互作用を実現します。
たとえばロボティクスでは物体の空間配置を把握する必要があります。またAR/VR体験にも3D空間の理解が不可欠です。つまり、次世代AIの重要な能力基盤になると考えられています。
製品「Marble」の特徴
World Labsは2024年11月にMarbleを公開しました。テキストや画像から3D仮想環境を生成するマルチモーダルAIモデルです。さらに生成された空間を探索したり操作したりすることも可能です。
具体的にはストーリーテリング、クリエイティブ制作、科学研究などに活用できます。またロボティクスのシミュレーション環境としても使えます。したがって、研究段階を超えて商用化が着実に進んでいるのです。
競合との比較
空間知能の領域には強力な競合が存在します。Google DeepMindのGenie 3はテキストからフォトリアリスティックな3D環境を生成できます。実際に24fps、720pでリアルタイム探索が可能です。
さらにヤン・ルカン氏のAMI Labsも注目されています。評価額は約30億ユーロです。一方AMI LabsはJEPA(結合埋め込み予測アーキテクチャ)という独自のアプローチを採用しています。つまり大規模言語モデルへの対抗戦略です。
このようにフェイフェイ・リー、ヤン・ルカン、Google DeepMindという巨大プレイヤーが競い合っています。そのため、空間知能の技術革新はさらに加速するでしょう。
10億ドル調達が示す市場の方向性
今回の大型調達は空間知能市場の急成長を示しています。ワールドモデル技術はAGI(汎用人工知能)への重要なステップと見なされています。また産業用途ではAutodeskの参画が3Dワークフローへの統合を示唆しています。
しかし技術はまだ発展途上です。それでも複数の大企業と投資家が数十億ドル規模で資金を投入しています。だからこそ、空間知能は2026年以降のAI業界で最も注目すべき分野の一つなのです。