イギリスのWayve(ウェイブ)社、自動運転技術開発のためUberから戦略的投資を獲得

Uberは、イギリス発のスタートアップWayve社の既に発表済みの10億5000万ドルのシリーズCラウンドの延長として、同社への戦略的投資を行っています。まず、この提携により、両社は自動車メーカーと協力し、将来的にUberのプラットフォームで運用される一般車両にWayveのAIを統合することを目指します。

この提携は、Uberが先週、Cruise社の自動運転タクシーが2025年にUberアプリに参加すると発表した直後に行われました。さらに、これはUberが過去2年間で確保した自動運転技術パートナーシップの最新の事例となります。

Uberとの提携の詳細は少ないものの、Wayve社は2017年にケンブリッジで設立されて以来、大きな注目を集めています。また、過去2年間で、SoftBank Group、Nvidia、Microsoftなどの出資者から13億ドル以上の資金を調達しています。

Wayve(ウェイブ)の自動運転技術アプローチ

Wayve社は、ルールベースではなく自己学習型のシステムを自動運転向けに開発しています。これはTeslaのAIに似たアプローチです。そして、Teslaと同様に、Wayveもライダーセンサーに依存していません。代わりに、カメラとレーダーを使用して、AIが周囲の世界を認識できるようにしています。

一方で、Teslaとは異なり、Wayveは他の自動車メーカーが一般車両にレベル2+の先進運転支援システム、さらにはレベル3とレベル4の自動運転機能を搭載できるようにAIを構築しています。

SAEの定義によると、レベル3と4の自動運転システムは、特定の条件下で自律的に操作できるものです。ただし、レベル3システムではドライバーがいつでも操作を引き継ぐ準備が必要ですが、レベル4システムではその必要はありません。

現在、WayveはジャガーI-PACEとフォードE-トランジットで安全運転手を乗せてL2+技術のテストを行っています。Wayveの広報によると、L3とL4のテストはまだ開始していないとのことです。

提携の展望

Wayveは、Uberとの取引の性質についてさらなる詳細を提供していません。しかし、声明の中で同社は、この提携が「将来的にWayveが開発した自動運転車両をUberのネットワークで利用可能にすることを想定している」と述べています。

Wayveの車両がUberのアプリに加わる時期や、それらの車両が完全な自動運転か、あるいは高度な運転支援技術を搭載しているだけなのか、またUberの投資額については、両社とも明らかにしていません。

Wayveのアレックス・ケンダルCEO兼共同創業者は声明で、この提携が「AIの車両学習を大幅に加速させ、自動運転技術の安全性を確保し、Uberのネットワーク全体での展開準備を整えるのに役立つ」と述べました。

さらに、ケンダル氏は「WayveとUberが協力して自動車メーカーと連携し、自動運転技術をより早く消費者に提供できるようにする」と付け加えました。

一方、Uberのダラ・コスロシャヒCEOは声明で、WayveのAIアプローチが「大きな可能性を秘めている」と評価し、「現代の車両が共有され、電動化され、自動運転化される世界」に向けて取り組んでいると述べました。

コスロシャヒ氏は「Wayveをパートナーとして迎え、自動車メーカーと協力しながら、Uberを自動運転車両にとって最高のネットワークとして構築し続けることを楽しみにしています」と語りました。

最近、Uberは自動運転スタートアップの商業化を目指すパートナーとして自社を位置づけています。例えば、Waymoの自動運転タクシーは昨年フェニックスでUberプラットフォームに参加しました。

また、Uberは自動運転の歩道配送ロボット企業(Serve Robotics、Cartken、Cocoなど)や自動運転貨物輸送スタートアップ(WaabiやAuroraなど)とも提携し、Uber EatsやUber Freightに自動運転機能をもたらそうとしています。