
AIコーディングツールの選択肢が増え続ける中、ByteDance(TikTokの親会社)が開発したTrae IDEが注目を集めています。なんと完全無料で使えるAI統合開発環境なんですよね。
ここでは、実際にTrae IDEを触ってみた感想を交えながら、特徴やCursorとの違いについてまとめてみました。
Trae IDEの概要と基本的な特徴
Trae IDEは、ByteDanceが2025年後半にリリースしたAIネイティブの統合開発環境です。VS Codeベースのエディタに、自律型AIエージェントを深く統合している点が大きな特徴になっています。
一方で、最大の魅力は完全無料という点でしょう。Cursorが月額20ドルのProプランを設定しているのに対し、Traeは主要機能を無料で提供しています。これは後発の戦略として非常に賢いアプローチだと感じました。
SOLOモードが変えるコーディング体験
Traeの目玉機能は「SOLOモード」と呼ばれる自律型エージェント機能です。従来のコード補完とは異なり、SOLOモードではAIが独立してソフトウェアを構築してくれます。
具体的には、以下のようなワークフローを自動化できます。
- 要件定義からコード生成までの一連のプロセス
- テストの自動作成と実行
- デバッグの自動検知と修正提案
- プロジェクト構造の最適化
これはCursorのAgentモードと似たコンセプトですが、Traeの方がより「おまかせ」寄りの設計思想になっている印象があります。
対応するAIモデルと技術的な背景
Traeは複数のLLMをバックエンドに利用しています。ByteDance自社開発のモデルに加え、Claude 3.5やGPT-4oといった外部モデルも選択可能です。
興味深いのは、モデルの切り替えが非常にスムーズな点ですね。タスクの種類に応じて最適なモデルを自動選択する仕組みも備わっているようで、ここはユーザーが細かく設定する必要がありません。
また、ByteDanceはTikTokで培った大規模インフラの運用ノウハウを持っています。そのため、AIモデルの推論速度やレスポンスの安定性には一定の信頼が置ける部分があります。
CursorやWindsurfとの比較
現在のAI IDE市場は群雄割拠の状態になっています。主要なプレイヤーを比較してみましょう。
- Trae IDE:無料、SOLOモード搭載、ByteDanceの大規模インフラ
- Cursor:月額20ドル〜、Agentモードの完成度が高い、開発者コミュニティが成熟
- Windsurf:Codeium発、Cascadeフロー機能、独自のコンテキスト理解
- Claude Code:ターミナルベース、CLI操作に特化
正直なところ、Cursorの方がエコシステムの成熟度では一歩リードしている印象です。ただし、Traeの「無料でここまでできる」という点は非常に魅力的で、特に個人開発者や学生にとっては有力な選択肢になりそうです。
データプライバシーの懸念と対策
ByteDanceが開発元という点で、データプライバシーへの懸念を感じる方もいるかもしれません。実際、TikTokに関する各国の規制議論は記憶に新しいところです。
Traeの公式サイトによると、コードデータの扱いについては明確なポリシーが設定されています。ただし、企業の機密コードを扱う場合は、やはり社内のセキュリティポリシーと照らし合わせて判断する必要があるでしょう。
個人的には、オープンソースプロジェクトや個人開発であれば気にせず使える一方、業務利用では慎重になった方が良さそうだと感じています。
実際に使ってみた所感
インストールはVS Codeと同様の手順で、特に迷う部分はありませんでした。UIもVS Codeに慣れた人なら違和感なく使い始められます。
SOLOモードで簡単なWebアプリの雛形を作らせてみたところ、ファイル構成からルーティング、基本的なCRUD処理まで一気に生成してくれました。生成されたコードの品質も悪くなく、すぐに動作する状態で出力されたのは素直に驚きましたね。
一方で、複雑なビジネスロジックの実装では、まだ人間の細かい指示が必要な場面もありました。この辺りはGitHub Copilot Agentなど他のツールでも同様の課題があるので、現時点でのAI IDEの限界なのかもしれません。
まとめ:無料で試す価値は十分にある
Trae IDEは、ByteDanceの技術力と資金力を背景に、AI IDE市場に新たな選択肢を提供しています。完全無料でありながら、SOLOモードによる自律的なコード生成は実用的なレベルに達していると感じました。
Cursorから乗り換えるかどうかは人それぞれですが、サブの開発環境として試してみる価値は十分にあります。特にコストを抑えたい方には、まず触ってみることをおすすめします。
AI IDE市場はまだまだ進化の途中なので、今後の各ツールの動向にも注目していきたいところですね。