SportAIとは

ノルウェー・オスロを拠点とするSportAIは、コンピュータービジョンとAIを活用してスポーツの技術分析を行うスタートアップです。チェスの世界チャンピオン、マグヌス・カールセンが支援していることでも知られています。

SportAIが解決しようとしている問題はシンプルです。これまでスポーツの技術分析はコーチ頼みでした。その結果、アドバイスがバラバラになることも珍しくありません。さらに、質の高いコーチングは高額で、アクセスできる人が限られていました。

AIによるスイング分析の仕組み

SportAIはスマホやコートのカメラから動画を取得します。そこで、AIが自動で動作を解析するのです。体の各部位の動きをAIが追跡します。次に、機械学習モデルがプロのデータと比較分析します。

具体的には、腰と肩の回転角度やスイング速度を数値化します。その結果、プロとの差がビジュアルで表示されます。「あなたのフォアハンドはナダルと比べてここが違う」といった具体的なフィードバックが得られるわけです。

2032年までに300億ドル市場へ

AIを活用したスポーツ分析市場は急成長しており、2032年までに300億ドル規模に達すると予測されています。また、SportAIの他にも、ゴルフスイングのAI分析やランニングフォームの解析など、さまざまなスポーツでAI活用が進んでいます。

SportAIは180万ドルのシード資金を調達しました。まず、ラケットスポーツから事業を開始しています。さらに、今後はゴルフ、野球、クリケットなどスイング動作を伴う他のスポーツにも展開する計画です。

B2Bモデルでの展開

SportAIは一般消費者向けのアプリではなく、B2Bプラットフォームとして展開しています。パートナー対象はコーチング協会やアカデミーです。さらに、放送メディアも含まれます。

たとえば、放送分野では、ライブ中継にAI分析データを組み込めます。そのため、視聴者に技術的な特徴を伝えやすくなります。例えば「ナダルのフォアハンドとフェデラーのフォアハンドを数値で比較する」といった演出が可能になります。

スポーツAI全体のトレンド

2025年現在、スポーツ×AIの領域はさらに広がりを見せています。試合映像の自動ハイライト生成、選手のコンディション管理、怪我のリスク予測、戦術分析など、AIが活用される場面は多岐にわたります(OpenAI o1のような推論モデルの活用も期待されます)。

一方で、個人レベルでも、スマートフォンひとつでフォーム分析ができるアプリ(Pixel 9のようなAI搭載スマホとの相性も抜群です)が増えており、「AIコーチ」が身近な存在になりつつあります。SportAIのようなプラットフォームが成熟すれば、プロレベルの分析がアマチュアにも手が届くようになるかもしれません。

SportAIのまとめ

SportAIは、AIによるスポーツ技術分析の民主化を目指すスタートアップです。コンピュータービジョンと機械学習を組み合わせ、誰でもプロレベルのフォーム分析を受けられる環境を作ろうとしています。スポーツAI市場の成長とともに、こうしたサービスが当たり前になる日もそう遠くないでしょう。

このように、フェデレーテッドラーニングなどのプライバシー保護技術と組み合わせることで、選手データの安全な活用も進んでいくでしょう。