YouTubeを開くと、おすすめ動画が延々と表示されて気づいたら1時間経っていた——そんな経験、ありませんか。アルゴリズムによるレコメンドは便利な反面、際限なく時間を吸い取られる原因にもなっています。そこで注目されているのが、オープンソースのYouTubeクライアント「NewPipe」です。

NewPipeの基本的な特徴

NewPipeは、Android向けの軽量YouTubeクライアントです。Googleアカウントへのログインが不要で、アルゴリズムによるおすすめフィードやショート動画が一切表示されません。

主な特徴を整理すると、こんな感じです。

  • Googleアカウント不要(トラッキングなし)
  • アルゴリズムフィード非表示
  • ショート動画の非表示
  • バックグラウンド再生対応
  • 動画・音声のダウンロード機能
  • ポップアップ(ピクチャーインピクチャー)再生
  • 広告なし

YouTube Premiumの主要機能(広告なし・バックグラウンド再生・ダウンロード)が無料で使えてしまうわけですが、これはYouTubeの公式APIを使わずにWebページを直接パースしているからこそ可能になっています。

なぜ今NewPipeが注目されているのか

NewPipe自体は2015年頃から開発が続いているプロジェクトですが、最近改めて注目を集めている背景には、YouTube Shortsの押し付け問題があります。ショート動画はエンゲージメント向上のためにUIのあちこちに埋め込まれており、それを不快に感じるユーザーが増えているんですよね。

また、Chrome拡張機能の監視問題に象徴されるように、大手テック企業のデータ収集に対する警戒感が高まっていることも追い風になっています。

NewPipeのインストール方法

NewPipeはGoogle Play Storeには掲載されていません。これはGoogleの利用規約との関係で、公式ストア経由の配布が難しいためです。インストール方法は主に2つあります。

方法1:F-Droidからインストール

F-Droidはオープンソースアプリ専門のストアです。F-Droidアプリをインストールした後、NewPipeを検索してインストールできます。自動アップデートにも対応しているので、管理が楽ですね。

方法2:公式サイトからAPKをダウンロード

NewPipeの公式サイトまたはGitHubリリースページからAPKファイルを直接ダウンロードしてインストールする方法もあります。この場合、Androidの設定で「不明なアプリのインストール」を許可する必要があります。

NewPipeの使い心地

実際に使ってみると、YouTubeの公式アプリとは全く異なる体験になります。トップ画面はトレンド動画の一覧だけで、パーソナライズされたおすすめは一切ありません。検索して見たい動画を能動的に選ぶ——という、本来のYouTubeの使い方に戻る感覚があります。

チャンネル登録機能もありますが、これはローカルに保存されるため、Googleアカウントとは紐づきません。購読しているチャンネルの新着動画だけをチェックするという、非常にシンプルな使い方ができます。

ただし、注意点もあります。YouTube側の仕様変更でNewPipeが動かなくなることが時々あり、アップデートを待つ必要があるケースがあります。また、コメント欄の表示やライブ配信の視聴など、一部機能は制限されています。

類似プロジェクト

NewPipe以外にも、アルゴリズムフリーのYouTube視聴環境を作るプロジェクトがいくつかあります。

  • Invidious:Webブラウザで使えるYouTubeフロントエンド。サーバーを自分で立てることも可能
  • FreeTube:デスクトップ向けのYouTubeクライアント。Windows/Mac/Linux対応
  • LibreTube:Piped APIを利用するAndroidアプリ。NewPipeの代替として人気上昇中

FirefoxのAI機能オフスイッチの記事でも触れましたが、ユーザーが自分の体験をコントロールできる選択肢を持つことは、デジタルウェルビーイングの観点からとても重要だと感じています。

まとめ

NewPipeは「YouTubeのコンテンツは好きだけど、アルゴリズムに振り回されたくない」という人にぴったりのアプリです。Googleアカウント不要、広告なし、ダウンロード可能という実用面の強さに加えて、自分の視聴データを一切外部に渡さないというプライバシー面のメリットも大きいですね。

すべての人に合うわけではありませんが、YouTubeとの付き合い方を見直したいと感じている方は、一度試してみる価値があると思います。

参考リンク