Microsoft 365 Copilot DLP設定無視問題について、ニュースを見ただけでは見えにくい実務ポイントを整理してみました。現場で導入を検討する時に、どこでつまずきやすいかまで含めて書いています。
起きたことを最初に整理します
企業向けのMicrosoft 365 Copilotで、DLP設定をまたいでメール内容を要約できてしまう不具合が報告されました。DLPは本来、機密ラベル付きの情報を外に出さないための最後の砦です。そこをAI要約がすり抜けると、担当者は「アクセス権がないはずの内容」を自然文で読めてしまいます。ログ上は通常の要約操作に見えるため、発見が遅れるのも厄介でした。
なぜ現場インパクトが大きいのか
このタイプの問題は、攻撃者が高度な侵入をしなくても成立する点が怖いです。たとえば営業会議前に「先月の機密案件を要約して」と聞くだけで、権限境界の外側の文脈が混じる可能性があります。しかも要約文は短く読みやすいので、利用者自身がリスクに気づきにくいんですよね。AIの便利さが、そのまま検知難易度の高さにつながる典型例だと感じました。
すぐ実施したい実務対策
まずCopilotの利用部門を限定し、機密データを含むSharePointサイトやメールボックスのアクセスレビューを週次で回すのが現実的です。次にDLPポリシーの例外設定を棚卸しして、不要な許可を削ります。あわせて「AI要約結果を二次配布しない」運用ルールを明文化すると効果が出やすいです。技術対策だけでは足りないので、運用設計を同時に見直すのがポイントです。
今後の見方
ベンダー側の修正は進んでも、同じ構造の問題は別サービスでも起こりえます。だからこそ、AI機能は“有効化したら終わり”ではなく、権限・監査・教育をセットで回す体制が必要です。特に日本企業は情報持ち出しに厳格なので、導入初期ほど小さく始めて監査可能性を優先する方が、安全に成果を積み上げられそうです。
