Hacker Newsで見かけた「Lil’ Fun Langs」は、名前どおり小さな言語実験の集合ですが、実務目線でも学べることが多いです。大規模言語を作る話ではなく、最小の文法でアイデアを検証する姿勢が参考になります。最近は社内ツール向けDSLを作るケースが増えているので、こういう小さな実験がそのまま設計ヒントになります。

DSLは便利ですが、勢いで作るとすぐ負債化します。構文が増えすぎる、互換性が崩れる、実装者しか理解できない。この3つが揃うと、せっかくの効率化が逆効果になります。だからこそ、最初は「小さく始める」を徹底した方が良いんですよね。

小さな言語実験が強い理由

一番の強みは、失敗コストが低いことです。構文1個、評価器1個、サンプル数個。これだけで、思想が機能するかを判断できます。巨大なパーサーを書いてから失敗に気づくより、ずっと健全です。さらに、学習コストの検証もしやすいので、チーム導入の見積もり精度が上がります。

私は、DSLを考えるとき「誰が読むか」を先に決めています。書く人より読む人の方が多いので、可読性を優先しないと運用は続きません。ここを外すと、ツールは作れたのに使われない、という悲しい状態になりがちです。

社内DSLで先に決めるべきこと

最低限、①対象ドメイン、②禁止事項、③後方互換ポリシーは最初に決めるべきです。対象ドメインが広すぎると万能化が始まり、禁止事項がないと設計が崩れます。後方互換ポリシーを曖昧にすると、アップデートのたびに現場が止まります。

実装面では、変換結果を追跡できるログ設計が重要です。これはAIコーディング運用の記事でも何度か触れたポイントですが、生成や変換が絡む仕組みほど、復元性を意識した方が安全です。動くことより、壊れたときに戻せることが大事です。

AI時代のDSL設計で意識したい点

今はAIにDSLコードを書かせる運用も増えています。その場合、厳密な構文定義とエラーメッセージ設計が効きます。曖昧な文法だと、AIはそれっぽいけど実行不能なコードを量産しがちです。逆に、禁止パターンを明示すると安定しやすいです。

また、AIの提案をそのまま採用しないレビュー導線も必須です。提案速度は魅力ですが、仕様逸脱を自動で防ぐ仕組みがないと品質は落ちます。AIエージェント設計の記事と同じで、ガードレールを先に作っておくのが近道です。

まとめ

Lil’ Fun Langsは遊びのように見えて、実務に効く設計原則が詰まっています。まずは小さい実験で考え方を固め、対象ドメインと互換性ポリシーを明文化する。これだけでもDSL開発の失敗確率は下げられます。言語を大きくする前に、運用を小さく正しく回すのが大事だと思います。

参考: Hacker News / ITmedia NEWS / AIエージェント関連記事