Kiteworks、4億5600万ドルを調達し、評価額は10億ドル超に

Kiteworksは、メールコミュニケーションやファイル共有、敏感なデータを扱う環境を安全にするツールを構築している企業です。今回、Insight PartnersとSixth Street Growthから4億5600万ドルを調達し、企業評価額は10億ドルを超えました。この資金調達は、サンマテオに拠点を置くスタートアップにとって重要な進展です。Kiteworksは、以前はAccellionとして知られており、2021年に大規模なデータ侵害を経験しました。

過去のデータ侵害の影響

このデータ侵害は、レガシーサービスに関連し、モルガン・スタンレーやカリフォルニア大学、クローガー、シェルなど少なくとも300の組織に影響を与えました。しかし、現在のKiteworksは好調です。過去2年間にわたり利益を上げており、ツールは1億人以上のエンドユーザーと3650以上の企業や政府機関に提供されています。

サイバーセキュリティの現状

現在、IT侵害がユーザーや組織を悩ませ続けています。一方で、スタートアップ向けの資金調達環境は依然として厳しい状況です。このため、パフォーマンスの良いサイバーセキュリティ企業が統合者として台頭しています。例えば、Wizは今年初めに10億ドルを調達し、小規模なプレイヤーを買収しました。Kiteworksも同様の計画を持っています。

M&A戦略の強化

Kiteworksは、資金の一部を買収に使うことを発表しました。戦略責任者のティム・フリーストーンは、「約1年半から2年前に始めた積極的なM&A戦略があり、これが次の4年間の継続に役立つ」と述べています。2022年以降、Kiteworksは4つの小規模な企業を買収しました。また、資金は採用や研究開発、ビジネス開発にも使われる予定です。

データセキュリティへの焦点

サイバーセキュリティ業界は、急速に成長するスタートアップの増加が特徴です。これは、解決すべき脅威が絶えず進化しているためです。Kiteworksは、クラウドやネットワーク、アプリケーションセキュリティとは異なり、データ、特に敏感なデータの保護に焦点を当てています。フリーストーン氏は、「私たちはついにデータ層に到達しました」と語ります。

プライベートコンテンツネットワーク

Kiteworksのユニークな売りは、敏感なデータを扱うためのプライベートコンテンツネットワーク(PCN)にあります。政府機関やそれに関連する組織は、強力なデータ保護コンプライアンスを遵守する必要があります。Kiteworksは、米国で「FedRAMPに認可された唯一のセキュリティプラットフォーム」であり、ファイル共有やメール通信をサポートすることができます。

今後の展望

KiteworksのCEOであるジョナサン・ヤロンは、「この投資は、敏感なデータ管理の課題に対処するKiteworksの役割を強化します」と述べています。Insight PartnersとSixth Street Growthの共同投資は、主に成長資本としての株式から成り立っています。Insightは、サイバーセキュリティへの投資を45億ドル以上行っており、Kiteworksにとって今が成長の時と考えています。