Interop 2026とは?ブラウザ互換性の新基準がスタート

2026年2月、Mozillaが「Interop 2026」の開始を発表しました。Interopプロジェクトは、Apple、Google、Igalia、Microsoft、Mozillaの5社が共同で推進するブラウザ互換性改善の取り組みです。Web開発者にとって「あのブラウザでだけ動かない」問題を解消するための活動で、地味ですが非常にインパクトのあるプロジェクトですね。

Interop 2025の成果を振り返る

まず、前年のInterop 2025がどれだけの成果を上げたかを見てみましょう。

Firefoxは開始時のスコア46から99まで到達しました。そして、全ブラウザの総合スコアは25から95に改善されています。この数字が高いほど、ブラウザ間の動作の違いが少ない、つまり開発者がブラウザごとの対応に費やす時間が減ることを意味します。

Interop 2025の成果として、以下の機能がクロスブラウザで安定して使えるようになりました。

  • Same-Document View Transitions(ページ遷移アニメーション)
  • CSS Anchor Positioning(アンカー要素に対する位置指定)
  • Navigation API(SPAのナビゲーション管理)
  • CSS @scope(スコープ付きスタイル)
  • URLPattern API(URLのパターンマッチング)

特にView TransitionsとCSS Anchor Positioningは、2026年のフロントエンド設計に大きな影響を与える機能として注目されています。

Interop 2026の注目フォーカスエリア

Interop 2026で取り組まれる具体的なフォーカスエリアの詳細は順次公開されていきますが、以下のような領域が重点的に取り扱われると見込まれています。

既存機能の信頼性向上

Interopプロジェクトで個人的に一番価値を感じるのは、「対応済み」とされている機能の実際の挙動を揃える活動です。MDNに「対応済み」と書いてあっても、エッジケースで微妙に挙動が違う、というのはフロントエンド開発者なら一度は経験したことがあるはずです。

Interop 2025でもWebRTCやCSS Flexboxの信頼性向上が含まれていたように、新機能の追加だけでなく、既存機能の品質底上げにもリソースが割かれています。

Web Platform Testsによる計測

Interopプロジェクトの進捗はWeb Platform Testsのパス率で計測されます。このダッシュボードは誰でもアクセスできるので、気になる機能のブラウザ対応状況をリアルタイムで確認できます。

Web開発者にとっての実務的な意味

Interopプロジェクトの成果が実務にどう影響するかを具体的に考えてみます。

ブラウザハックが減る

「Safariだけこの書き方にしないと動かない」「Firefoxではこのプロパティが効かない」といった対応コードが減ります。これはコードの保守性向上に直結しますし、テスト工数の削減にもつながります。

新しいCSS機能を実戦投入しやすくなる

View TransitionsやCSS Anchor Positioningなど、クロスブラウザ対応が確認された機能は、プロダクションコードに安心して導入できるようになります。「Can I Use」で全ブラウザ緑になったタイミングが、実戦投入の目安になるでしょう。

Progressive Enhancementの実現

ブラウザ間の基盤機能が揃うことで、モダンWeb開発のベースラインが底上げされます。これにより、Progressive Enhancementの戦略がより現実的になってきました。

なぜこのプロジェクトがもっと注目されるべきなのか

Interopプロジェクトは、新しいAIモデルのリリースほど華やかなニュースにはなりません。しかしながら、Web開発の現場で日々感じる「微妙なブラウザ差異」のストレスを地道に解消してくれる、極めて重要な取り組みです。

競合するブラウザベンダーが協力して互換性テストのスコアを競い合う、というモデルは非常にうまく機能しています。2025年の総合スコアが25から95に改善されたという実績が、このアプローチの有効性を証明していますね。

まとめ

Interop 2026は、Web開発者の生産性に直接影響するプロジェクトです。普段は意識しないかもしれませんが、「このCSS、全ブラウザで動くかな」と不安に思う回数が減っているとしたら、それはInteropプロジェクトの成果かもしれません。

ダッシュボードをブックマークしておくと、気になる機能の対応状況をすぐに確認できて便利です。

参考リンク: