Googleが提供するAIモデル「Gemini 3」に搭載されている推論特化モード「Deep Think」が、2026年2月に大きなアップデートを受けました。もともと数学やコーディングの分野で高い評価を得ていた機能ですが、今回のアップデートで科学やエンジニアリングの領域にも対応範囲が広がっています。
Gemini 3 Deep Thinkの概要
Deep Thinkは、通常のGemini 3とは異なり、回答に時間をかけてじっくり推論するモードになります。一般的な質問であれば標準モードで十分かもしれませんが、複雑な論理展開や多段階の計算が必要な場面では、このDeep Thinkが力を発揮するようです。
利用にはGoogle AI Ultraサブスクリプションが必要で、月額の料金プランに含まれる形で提供されています。一方で、通常のGemini 3は無料プランでも使えるため、用途に応じて使い分けるのがよさそうです。
今回のアップデートで何が変わったのか
これまでDeep Thinkが得意としていたのは、主に数学の証明やプログラミングの複雑なロジック構築でした。しかし、今回の拡張によって以下の領域にも対応するようになっています。
- 物理学や化学の理論的な問題解決
- 研究論文の論理構造の検証
- 工学設計における多変数の最適化
- データサイエンスの仮説検証プロセス
実際に試してみると、たとえば熱力学の問題を投げた場合、標準モードでは表面的な説明にとどまることがありました。ところがDeep Thinkでは、途中の計算過程を丁寧に展開しながら回答を生成してくれる印象を受けます。
他のAIモデルとの比較
推論に強いAIモデルとしては、OpenAIのo3シリーズやClaude Opus 4.6なども知られています。それぞれアプローチが異なるので一概に優劣はつけにくいのですが、Gemini 3 Deep Thinkの特徴はGoogleの検索基盤との統合にあるかもしれません。
また、中国のAI企業が開発したGLM-5も推論能力の高さで注目されていますが、日本語での利用しやすさという点では、Geminiに一日の長がありそうです。
実際に使ってみた感想
個人的にDeep Thinkを使う場面として多いのは、コードレビューの補助です。複雑なアルゴリズムのバグを探すとき、標準モードだと見落としがちな箇所も、Deep Thinkなら段階的にロジックを追ってくれるので助かります。
ただし、回答に30秒〜1分ほどかかることもあるため、チャット感覚でサクサク使いたい場面には向いていないかもしれません。「じっくり考えてほしいとき」にオンにする、くらいの使い分けがちょうどいい気がしています。
料金と利用方法
Deep Thinkを使うには、Google AI Ultraのサブスクリプションが必要です。API経由で利用する場合は、Gemini APIのエンドポイントからモデル指定で呼び出せるようになっています。
開発者向けには、Google Cloud Vertex AIからも利用可能で、既存のワークフローに組み込みやすい設計になっているのは好印象です。
今後の展望
GoogleはDeep Thinkの対応領域をさらに広げる計画を示唆しています。医療や法律といった専門分野への拡張も視野に入っているとのことで、AIエージェントとの連携も気になるところです。
推論特化型のAIモデルは2026年のトレンドとして定着しつつあり、今後もさまざまなサービスで活用が進んでいくのではないでしょうか。日常的な質問はスピード重視、複雑な問題は推論モードという使い分けが、これからのAI活用の基本になっていくのかなと感じています。