ブラウザにAI機能が次々と搭載される時代、「使いたくない」という選択肢は守られているでしょうか。2026年2月、MozillaはFirefoxデスクトップ版にAI機能を一括でオフにできるコントロールセクションを追加しました。Firefox AI機能 オフの設定がワンクリックで可能になり、プライバシーを重視するユーザーから大きな注目を集めています。

FirefoxのAIコントロールセクションとは

今回追加されたのは、Firefoxの設定画面に新設された「AIコントロール」セクションです。ここには、現在および将来のすべての生成AI機能をまとめて管理できるトグルスイッチが用意されています。Firefox責任者のAjit Varma氏は次のように述べました。

“It provides a single place to block current and future generative AI features in Firefox”
(Firefoxにおける現在および将来の生成AI機能を一箇所でブロックできる場所を提供する)

この機能により、ユーザーはFirefoxに組み込まれたAIチャットボット連携、AIサジェスト、自動要約といった機能を個別に無効化する手間がなくなります。スイッチひとつで、すべてのAI関連機能がオフになる仕組みを採用しているのが特徴的でしょう。

なぜMozillaはこの機能を実装したのか

背景には、ブラウザ業界全体で進むAI統合の流れがあります。Google ChromeはGeminiとの連携を深め、Microsoft EdgeもCopilotを標準搭載するなど、主要ブラウザがこぞってAI機能を前面に押し出してきました。しかし、すべてのユーザーがこの流れを歓迎しているわけではありません。

Mozillaは以前からプライバシーファーストの姿勢を明確にしてきた組織です。トラッキング防止機能やDNS over HTTPSの早期実装など、ユーザーの権利を守るための施策を積極的に導入してきた実績があります。今回のAIコントロール機能も、その延長線上にある取り組みといえるでしょう。

Mozilla公式ブログでは、AIの利便性を認めつつも、ユーザーに選択権を与えることの重要性が強調されています。

Firefox AI機能 オフの設定方法

設定手順は非常にシンプルで、以下のステップで完了します。

  1. Firefoxの設定画面を開く(メニュー → 設定)
  2. 左側メニューから「AIコントロール」セクションを選択
  3. 「生成AI機能を無効にする」トグルをオンに切り替える

これだけで、現在有効なAI機能がすべて無効化されます。さらに、将来Mozillaが追加するAI機能も自動的にブロックされる点が画期的です。一度設定すれば、アップデートのたびに新しいAI機能を確認して無効化する必要がなくなります。

他のブラウザとの比較で見えるMozillaの独自性

現時点で、AI機能の一括オフスイッチを提供しているメジャーブラウザはFirefoxだけです。ChromeやEdgeでもAI機能を個別に無効化することは可能ですが、設定が分散しており、すべてを把握してオフにするのは容易ではありません。

また、Chrome拡張機能がブラウジングデータを監視していた問題が示すように、ブラウザのプライバシー管理は拡張機能レベルでも注意が必要になっています。Firefoxの今回の対応は、ブラウザ本体のAI機能に対するコントロールという点で、一歩先を行く取り組みだと評価できます。

プライバシー意識の高まりとAI機能のジレンマ

AI機能は確かに便利な側面を持っています。文章の要約、翻訳の補助、検索精度の向上など、日常的なブラウジング体験を向上させるポテンシャルは否定できないでしょう。

一方で、AI機能の多くはクラウドへのデータ送信を伴います。閲覧しているページの内容、入力中のテキスト、検索クエリといった情報が外部サーバーに送られる可能性があり、プライバシーリスクは無視できません。TheHackerNewsをはじめとするセキュリティメディアでも、ブラウザAI機能のデータ取り扱いについて警鐘が鳴らされてきました。

Discordの顔認証による年齢確認導入のケースでも見られるように、テック企業が新機能を追加する際のプライバシーへの配慮は、ユーザーにとって重要な判断材料となっています。

Firefoxユーザーが今すぐやるべきこと

この機能は最新のFirefoxデスクトップ版で利用可能です。以下のアクションを推奨します。

  • Firefoxを最新版にアップデートする
  • 設定画面でAIコントロールセクションを確認し、自分の好みに合わせてトグルを設定する
  • AI機能を使いたい場合でも、どの機能が有効かを把握しておく

AI機能を完全にオフにするかどうかは、個人の判断に委ねられるべき問題です。重要なのは、その選択肢がきちんと用意されていること。Mozillaの今回の決断は、ブラウザのAI時代におけるユーザーの自己決定権を守る重要な一歩として記憶されることになりそうです。

まとめ

FirefoxのAI機能オフスイッチは、単なる設定項目の追加にとどまりません。「AI機能はデフォルトで有効にすべき」という業界の常識に対する、Mozillaからの明確なアンチテーゼとなっています。プライバシーを重視するなら、Firefox AI機能 オフの設定を一度確認してみてはいかがでしょうか。

参考: Mozilla Blog – AI and Firefox / ギズモード・ジャパン