1999年に登場したApple iBookは、消費者向けノートPCとして初めてWi-Fiを標準搭載したモデルでした。あれから27年が経った2026年の今も、このヴィンテージマシンがWi-Fiネットワークに接続し、ソフトウェアアップデートを取得できるという報告がHacker Newsで話題を集めています。

iBookとAirPort:Wi-Fi普及の原点

Steve Jobsが1999年のMacworld Expoでフラフープのようなデザインの初代iBookを披露したとき、最大の驚きはWi-Fi接続のデモでした。当時「AirPort」と名付けられた無線LAN機能は、IEEE 802.11b規格に基づく11Mbpsの接続を提供するものです。

注目すべきは、この初代AirPortカードを搭載したiBookが、現代のWi-Fiルーターとも通信できる点にあります。多くのルーターは後方互換性を維持しており、802.11b対応のレガシーモードが残されているためです。

27年後も動く理由

iBookが今も接続できる背景には、いくつかの技術的な要因が重なっています。

  • Wi-Fi規格の後方互換性が維持されてきた
  • Mac OS 9およびMac OS X 10.2以降のTCP/IPスタックが基本的なHTTP通信に対応
  • Appleのソフトウェアアップデートサーバーが古いプロトコルでのアクセスを完全にはブロックしていない
  • TenFourFoxなどのコミュニティプロジェクトがPowerPCブラウザを維持してきた

もちろん、TLS 1.2以降を要求するサイトにはアクセスできないなど、制約は存在します。それでも、基本的なネットワーク接続とファイル転送が機能するのは注目に値するでしょう。

Apple製品の長寿命を支える設計思想

Appleは近年、環境への配慮からも製品の長寿命化を推進しています。しかし、iBookの互換性が保たれているのは意図的な設計というよりも、Wi-Fi規格全体の後方互換性と、インターネットプロトコルの安定性に負うところが大きいと考えられます。

macOS Tahoe 26.3のクラッシュ問題で最新OSの不安定さが報告される一方、27年前のハードウェアが黙々と動き続けるのは皮肉な話かもしれません。また、Echo SSHクライアントのように古い技術を新しいインターフェースで蘇らせるアプローチも増えてきました。

ヴィンテージMacを活用する方法

もし自宅に古いiBookやPowerBook G3/G4が眠っているなら、試す価値はあります。Wi-Fiの暗号化方式に注意が必要で、WPA2にはAirPort Extremeカード(802.11g対応)以降でないと対応できません。初代AirPortカードの場合はWEPのみとなるため、セキュリティ面では隔離されたネットワークでの利用を推奨します。

Reddit VintageAppleコミュニティでは、古いMacの復活事例が数多く共有されています。68kMLAフォーラムも、クラシックMacユーザーにとって貴重な情報源です。

テクノロジーの進化の速さばかりが注目されがちですが、27年前のデバイスが今もネットワークに参加できる事実は、標準規格の互換性がいかに大切かを静かに教えてくれます。ガジェット関連の最新動向は、Google I/O 2026の記事もご参照ください。