2026年2月、中国のAI企業Zhipu AI(智譜AI)が新世代の大規模言語モデル「GLM-5」を発表しました。745Bパラメータ、44Bアクティブパラメータのモデルは、創造的な文章生成からコーディング、推論、エージェント機能まで幅広い能力を備えています。
ここでは、GLM-5の技術的特徴と、DeepSeekとの競合、そして実際に使う方法を解説します。
GLM-5の基本スペック|745Bパラメータ×MoEアーキテクチャ
GLM-5の最大の特徴は、Mixture of Experts(MoE)アーキテクチャの採用です。総パラメータ数は745B(7450億)ですが、推論時にアクティブになるのは44B(440億)パラメータのみ。これにより、巨大モデルの性能を保ちながら、計算コストを抑えています。
MoEアーキテクチャは、AIエージェント開発プラットフォームの基盤モデルとしても注目されている手法です。入力データに応じて最適な「エキスパート」モジュールが動的に選択されるため、効率と精度を両立できます。
GLM-5で強化された4つの能力
Zhipu AIによると、GLM-5では次の4分野で大きな改善が見られます。
- 創造的な文章生成:物語やマーケティングコピーなど、自然で多様な文章の生成能力が向上
- コーディング:複数言語でのコード生成・デバッグの精度が改善
- 推論能力:数学的推論や論理的な問題解決でフロンティアレベルの性能を実現
- エージェント機能:ツール呼び出しや複数ステップのタスク実行に対応し、自律的な処理が可能に
とくにエージェント機能は、2026年のAI業界で最もホットなテーマの一つです。AIエージェントの導入を検討する企業にとって、GLM-5は選択肢の一つになるでしょう。
GLM-5とDeepSeekの競合|中国AI業界の覇権争い
Bloombergの報道によると、GLM-5の発表はDeepSeekの新モデルリリースを見据えたタイミングでした。Zhipu AIとDeepSeekは中国のAI業界を代表する2社であり、互いに技術的なリードを競い合っています。
DeepSeekはオープンソース戦略で世界的に知名度を上げましたが、Zhipu AIは企業向けAPI提供やZ.aiプラットフォームでの商用展開を強化しています。両社の競争は、結果的にモデルの品質向上とコスト低下をもたらしており、ユーザーにとってはプラスに働いています。
GLM-5の使い方|Z.aiプラットフォームでアクセス
GLM-5は、Zhipu AIが運営するZ.ai(chat.z.ai)プラットフォームから利用できます。Webチャット形式での対話に加え、APIアクセスも提供されています。
開発者向けには、以下の方法でGLM-5を試せます。
- Z.ai Webチャット:ブラウザから直接GLM-5と対話可能
- API経由:Zhipu AIのAPI Key取得後、REST APIで呼び出し
- Pythonライブラリ:公式SDKを使ったプログラマティックなアクセス
なお、日本語への対応状況は公式にはまだ限定的です。英語と中国語がメインターゲットですが、多言語対応は今後のアップデートで拡充される可能性があります。
GLM-5はAI業界にどんな影響を与えるか
GLM-5の登場は、RAGやGraphRAGといった手法と組み合わせることで、企業向けAIソリューションの選択肢を広げます。
また、中国発のAIモデルが性能面でOpenAIやAnthropicに迫っている現状は、AI開発の多極化を加速させています。一つの企業や地域に依存しない健全な競争環境は、技術革新を促進し、最終的にはユーザーの利益につながります。
GLM-5まとめ|745Bパラメータの実力と今後の展望
GLM-5は、Zhipu AIが送り出した第5世代の大規模言語モデルです。745BパラメータのMoEアーキテクチャにより、高い性能と効率を両立しています。コーディング、推論、エージェント機能の強化は、2026年のAIトレンドに直結するものです。
Z.aiプラットフォームから手軽に試せるため、最新のAIモデルの動向に関心がある方はぜひチェックしてみてください。