2025年は生成AIが「使えるツール」として企業に定着した年だった。ChatGPTやCopilotは日常業務に組み込まれ、AIを使わない方が非効率という空気すら生まれている。

では2026年、IT業界はどこに向かうのか。注目すべき3つのトレンドを整理する。

AIエージェントが本格始動

2026年最大の変化は「AIエージェント」の実用化だ。これまでのAIは質問に答えるだけだったが、AIエージェントは自らタスクを実行する。メールの送信、スケジュール調整、データ分析、コードのデプロイまで、人間の指示を受けて自律的に動く。

MicrosoftのCopilot Agents、GoogleのProject Mariner、AnthropicのClaude Computer Useなど、大手各社がエージェント機能を次々とリリースしている。「AIに仕事を任せる」が現実のものになりつつある。

サイバーセキュリティの新たな脅威

AIの進化はセキュリティリスクも増大させている。攻撃者がAIを使ってフィッシングメールを大量生成したり、脆弱性を自動で発見したりするケースが急増している。

一方で、防御側もAIを活用し始めた。異常検知、脅威インテリジェンスの自動分析、インシデント対応の自動化など、AI対AIの攻防が常態化している。

特に注目すべきは「サプライチェーン攻撃」の増加だ。ソフトウェアの依存関係を狙った攻撃が巧妙化しており、オープンソースライブラリの安全性確認がこれまで以上に重要になっている。

IT人材市場の変化

AIツールの普及により、エンジニアに求められるスキルセットが変わりつつある。コードを書く能力だけでなく、AIを使いこなして生産性を上げる能力が評価される時代だ。

一方で、「AIに仕事を奪われる」という懸念も根強い。しかし実態としては、AIを使えるエンジニアの需要は増え続けている。AIは仕事を奪うのではなく、仕事の中身を変えている。定型作業が自動化される分、設計やアーキテクチャの判断、ビジネス要件の理解といった上流工程のスキルがより重視されるようになった。

まとめ

2026年のIT業界は、AIエージェントの本格始動、セキュリティの高度化、人材像の変化という3つの軸で動いている。いずれもAIが中心にあり、「AIとどう向き合うか」が個人にも企業にも問われている。変化の波に乗るか、飲まれるかは、今の行動次第だ。