外国人居住者や訪日客の増加に伴い、ローマ字表記の見直しが検討されています。盛山文部科学大臣は、英語に近い「ヘボン式」の浸透を踏まえ、文化庁の審議会に検討を諮問しました。

ローマ字表記の現状

まず、ローマ字表記には主に2つの方式があります。1つは「訓令式」で、日本語の読みに基づいて「ち」を「t・i」と表記します。もう1つは「ヘボン式」で、英語のつづりに近く、「ち」を「c・h・i」と表記します。

これまで、70年前の内閣告示に基づき「訓令式」が基本として採用されてきました。しかし、時代の変化に伴い、見直しの必要性が出てきたのです。

諮問の背景と内容

盛山文部科学大臣は、時代に応じた整理が必要だと判断し、14日に文化庁の文化審議会に諮問しました。その内容には、以下のような点が含まれています:

  1. 当初の想定と現状の乖離
  2. 国際社会への情報伝達における役割
  3. パスポートや道路標識でのヘボン式採用

さらに、複数のつづりがある音やのばす音のつづりの整理も求めています。

今後の展開と調査

この諮問を受け、文化審議会は内閣告示の改定を視野に入れ、ローマ字の使い方を検討することになりました。また、2023年の文化庁の世論調査では、「訓令式」と「ヘボン式」の学びやすさについて意見が分かれていることが分かりました。

そのため、文化庁は今年度、より詳細な調査を行う予定です。この調査結果は、今後のローマ字表記の方針決定に大きな影響を与えると考えられます。

ローマ字表記の改定は、日本の国際化や外国人とのコミュニケーションに大きな影響を与える可能性があります。今後の議論と決定が注目されます。